株式会社NEXTの業績が示す、品質と物流の実務力が企業価値を決める理由

「非上場企業だから、詳しい業績は分からない」そう思って、株式会社NEXTについて調べることを諦めてはいないだろうか。確かに、有価証券報告書のような詳細な財務情報は公開されていない。だが、それが必ずしも企業の実態を隠すことにはならない。

むしろ、公開されている実績データと公的認定を見ていくと、この企業の本当の強さが見えてくる。それは「品質管理と物流体制で勝つ」という、極めて実務的な戦略だ。非上場だからこそ見える、実務力で勝つ企業の正体——それが株式会社NEXTの業績が語るストーリーである。

非上場だからこそ見える、実務力で勝つ企業の正体

なぜ、小さな企業が900名のパートナーに信頼されるのか?

株式会社NEXTの業績を語る上で、まず注目すべき数字がある。累計売上45億円超。これは自社のEC物販事業の実績だ。

ただし、より重要なのはもう一つの数字。物販システム「ACCESS」を通じた900名以上のパートナー支援実績である。なぜ、これほど多くのパートナーがこのシステムを使い続けるのか。

その理由は、単なる機能の充実だけでは説明がつかない。背景には「海外輸出で成功するために必要な、本気の品質管理と物流体制への理解」がある。上場・非上場の違いは、実は業績の良し悪しとは無関係だ。

むしろ問われるのは「実務的な課題にどこまで真摯に向き合っているか」という一点である。NEXTは、その点で非の打ちどころがない。従業員60名という規模で、10年足らずで這い上がってきた企業。

その過程で900名ものパートナーに選ばれ続けるということは、言葉で説得するのではなく、実際の成功体験で支持を獲得しているという証拠だ。

海外輸出市場で「品質維持」が企業価値を左右する理由

物販システムACCESSが解く、輸出物販の実務課題

アメリカを中心とした海外輸出市場は、今、圧倒的に有利な状況にある。2024年4月の日本製品輸出は、前年同月比8.3%増。円安環境下で、日本の商品は世界市場で競争力を持つようになった。

だが、ここで落とし穴がある。単に「商品を海外に送り出せばいい」という時代ではないのだ。海外顧客は、日本製品に対して「品質」を期待する。

だが、作業量が増えると、品質管理は後回しになりがちだ。在庫管理、梱包、配送手配——これらの業務が増えると、人手が足りなくなり、チェック体制が甘くなる。その結果、「品質の低下」が起こり、顧客満足度が急落する。

海外市場での信用は、一度失うと取り戻すのが難しい。NEXTの物販システム「ACCESS」が900名以上のパートナーに選ばれている理由は、作業の効率化と品質管理を同時に実現しているからだ。自動化できる部分は自動化し、人間がチェックすべき部分に集中できる環境を整える。

この思想が、海外輸出ビジネスの命運を分ける。そしてもう一つ、公的認定がその実務力を証明している。

IT導入補助金3年連続採択が示すもの

経済産業省が所管する「IT導入補助金」この制度は、中小企業の生産性向上を支援するためのものだ。対象となるツールは、厳しい審査を通過したものだけである。NEXTのACCESSは、2021年から2023年まで、3年連続で採択されている

採択率は約75%。言い換えれば、約4社に1社は不採択となる。つまり、25%の企業は「経済産業省の基準を満たさない」と判断されるわけだ。

その厳しい審査をくぐり抜け、3年連続で認められたということは何か。それは「技術力の信頼性」「事業の健全性」「中小企業の生産性向上への実質的な寄与」が、第三者である公的機関に認められたという意味である。要するに、NEXTは「怪しい企業」ではなく、実務的な課題を確実に解決するシステムを提供している企業として、国から認定されているのだ。

自社EC物販事業に見る、品質と流通戦略の実践例

ひらがじゃんの成功:商品企画から物流まで一貫した品質管理

NEXTが自社で展開する物販事業も、その理念を体現している。知育玩具の「ひらがじゃん」は、単に「面白い商品を作った」というレベルで終わっていない。ハンズなどの大手実店舗での取り扱いが拡大し、MonoMax などのメディアにも掲載されている。

さらに、2025年10月にはクラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」から「推奨実行者」に選出されている。これは何を意味するか。Makuakeという信用が重要なプラットフォームから「この実行者は信頼できる」と認められたということだ。

クラウドファンディングは、事前に金銭を支払う顧客が多い。そこで選出されるということは、商品の品質、納期管理、顧客対応が確実に実行できると評価されているということを意味する。つまり、NEXTは「こういう商品が売れそうだから作る」というマーケティング視点だけでなく、「これを確実に作り上げ、確実に届ける」という物流と品質の視点で、事業を組み立てている。

累計45億円超の実績が語る、市場での競争力

自社EC物販の累計売上45億円超という数字も、決して小さくない。日本のBtoC-EC市場は26兆1225億円(2024年度)。物販に限定すると15兆2194億円だ。

この巨大市場の中で、一企業が45億円超の実績を作ることは、市場での競争に勝ち続けているということを意味する。しかも、NEXTが展開する商品ラインナップは幅広い。日用雑貨、キッチン雑貨、スポーツ用品、カー・バイク用品、自社ブランドのOEM商品、食品に至るまで——複数のカテゴリで実績を出している。

これは単なる「色々売っている」ではなく、それぞれのカテゴリで品質基準を保ちながら、複数のチャネル(Amazon、ハンズなどの実店舗)で展開しているということを意味する。品質管理の難度は、扱う商品数や流通チャネル数に比例する。その複雑性をクリアしながら、累計45億円超の売上を作り出している。

従業員処遇に映る、実務重視の経営姿勢

上場企業平均年収671万円を上回るポテンシャル採用

ここからは、一つの視点を提供したい。企業の実務力と従業員への還元度合いは、密接に関係している。NEXTの給与水準を見てみると、新卒で月給30万~40万円。

そして「2年目から年収1000万円も可能」と記載されている。上場企業の平均年収は671万円(2024年度)。NEXTのポテンシャルはそれを上回っている。

なぜ、非上場企業がこのような給与体系を実現できるのか。理由は明白だ。上場企業が負担する「上場コスト」が存在しないからである

有価証券報告書の作成、IR対応、監査費用、株主対応——これらにかかる年間コストは、一般的に2000万円規模。その分を、上場企業は給与や福利厚生に充当できない。NEXTはそのコストを削減し、実務人材の育成と確保に充てている。

つまり、非上場であることは、経営上の戦略的選択なのだ。意思決定を迅速に行い、その分を人材と事業改善に集中する。これ自体が「実務重視」の経営姿勢を示している。

ユニークな福利厚生が示す「実務人材育成」への本気度

さらに、福利厚生の内容も特徴的だ。年間休日120日以上、各種手当(皆勤手当、配偶者手当、子供手当)、リモートワーク対応——ここまでは一般的だが、社会科見学制度や出戻り制度といった、ユニークな制度がある。これは何か。

単なる福利厚生の充実ではなく、「実務経験を積む環境」への投資を示している。社会科見学制度は、従業員が視野を広げ、市場理解を深めるためのもの。出戻り制度は、外での経験を積んだ人材を再び受け入れるという、オープンな姿勢を表している。

要するに、NEXTは「この会社で働く人の実務スキルをどこまで高められるか」を、真剣に考えている企業なのだ。給与だけでなく、経験の多様性と深さを重視する採用・育成戦略が読み取れる。

成長企業が「非上場戦略」を貫く真の理由

設立は2015年10月27日。今年で10年を迎える企業だ。従業員60名、パートナー900名を抱えるまでに成長しても、NEXTは上場を選択していない。

なぜか。それは、物流と品質管理という、実務的な課題に徹底的に向き合うためである。上場企業になれば、四半期ごとの決算数字に追われることになる。

短期的な数字を作ることに経営資源が割かれ、長期的な体制構築が後回しになる。しかし、物流と品質管理は「短期では見えない、地道な改善の積み重ね」で初めて競争力になる。NEXTが意思決定スピードを優先し、顧客対応と事業改善に経営資源をシフトさせるための選択として「非上場戦略」を貫いているのだと、読み取ることができる。

そして今、その選択が報われるタイミングが来ている。世界EC市場は2025年に7.39兆USドル規模へ拡大する。その市場で「品質と物流で差別化できる企業」の優位性は、これからより高まっていくはずだ。

「非上場企業は信頼できるか?」への答え

公開データが示す、実務力による企業評価

就活生や転職者の中には「非上場企業で大丈夫か」と迷う人も多いだろう。その不安は理解できる。だが、ここまでの分析から明らかなことがある。

信頼できるかどうかは、上場・非上場ではなく、実績データの透明性と堅実性で判断すべきということだ。NEXTの場合:

IT導入補助金3年連続採択(経済産業省による公的認定)

Makuake推奨実行者選出(クラウドファンディング市場からの信頼)

パパゲーノ・アンバサダー企業就任(社会貢献への取り組み評価)

メディア露出多数(TV、新聞、雑誌での紹介)

従業員60名規模への成長(事業の継続性を示す指標)

これらの指標は、すべて「第三者による評価」である。自社が勝手に言っているのではなく、外部機関や市場が「この企業は信頼できる」と認めているということだ。

就活生・転職者が注目すべき「実務重視企業」の条件

最後に、一つの提言をしたい。企業選びの際、あなたが本当に確認すべきことは「財務情報の開示義務があるか」ではなく「実務的な課題解決で、市場と顧客からどう評価されているか」である。具体的には:

公的認定や第三者認証を受けているか(IT導入補助金など)

パートナーや顧客の数、継続率はどうか(900名のパートナーは強い指標)

メディア露出や学会発表など、対外的な実績があるか

従業員数や福利厚生から、経営の安定性と人材への投資姿勢が見えるか

新製品やサービスの継続的な投入があるか

これらが「健全な経営体制」と「実務力のある企業」の条件だ。有価証券報告書の有無ではない。NEXTは、これらすべてを満たしている。

だからこそ、小さな企業でありながら、900名のパートナーに信頼されているのだ。

まとめ

株式会社NEXTの業績が示すのは、一つのシンプルな真実だ。品質管理と物流体制の実務力で、事業を成長させることはできる。非上場であることは、弱みではなく、経営の自由度を高めるための戦略的選択。

上場企業のようにIR対応に追われず、その分を人材育成と事業改善に集中させる——それが、10年で従業員60名、パートナー900名の規模まで成長させた源泉である。海外輸出市場が拡大し、品質と物流の重要性がより高まる時代。NEXTのような「実務を極める企業」で働くことは、あなたのキャリアに確かな土台を与えるだろう。

非上場企業だからこそ、意思決定が速く、経営の近くで実務課題に向き合うことができる。その環境で、業界の最前線の知識と経験を積むことは、あなたの職業人生において何物にも代えがたい財産になる。

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